お口の健康を守るために知っておきたい2大疾患が「虫歯」と「歯周病」です。多くの方は「虫歯の方が怖い病気」と感じるかもしれませんね。確かに、虫歯は歯が溶けていくのが目に見え、強い痛みが伴うことが多いので、気づきやすい病気です。
ですが、実は「歯周病」の方が、より注意すべき病気といえます。歯周病は気づかないうちに進行し、歯を失う大きな原因となるだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるからです。
そこで今回は、歯周病の初期段階で気づくための症状や進行した場合のリスクについて、わかりやすくご説明します。
歯周病は「自覚症状がほとんどない病気」として知られています。「サイレントディジーズ(沈黙の病気)」という別名を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。実際、歯周病は症状が目立ちにくいため、特に初期段階ではご自身で気づくのが難しいことが多いです。
そのため、まずは健康な歯茎の状態を知り、違和感に早めに気づけるようになることが大切です。以下では、健康な歯茎の特徴と注意すべきポイントについて詳しくご紹介します。
・引き締まっていてハリがある
・コーラルピンクのような色合い
健康な歯茎は、サンゴ礁のような美しいピンク色(コーラルピンク)をしています。この健康な色を基準として覚えておくことが大切です。もし可能であれば、現在の歯茎の状態を写真に撮っておくと、将来的に異変を感じた際に比較するのに役立ちます。
また、正常な歯茎はしっかりと引き締まっており、弾力があります。そのため、歯と歯茎の間に隙間がなく、病原菌が侵入しにくい状態です。こうした特徴を日頃からチェックすることで、歯茎の健康を維持する第一歩となります。
・歯茎の腫れ
・歯茎の色が赤くなる
・口臭が気になる(個人差あり)
・歯茎から血が出ることもある(個人差あり)
歯周病が進行し始めると、最初に歯茎に変化が現れることが多いです。特に目に見えてわかりやすいのが歯茎の色の変化です。健康なピンク色だった歯茎が赤く変わるのは、炎症によるものです。この状態は「歯肉炎」と呼ばれ、歯茎に腫れや炎症が起こっていることを示します。
さらに、初期段階の歯周病では、口臭が気になり始める場合もあります。これは、歯垢や歯石が歯の表面に溜まり、その中で繁殖した歯周病菌が「メチルメルカプタン」という腐敗臭を伴うガスを発生させるためです。このガスは、腐った玉ねぎのような独特の匂いが特徴です。
また、歯周病の初期症状として、歯茎からの出血が見られることもあります。ただし、出血が確認できるのは少し進行してからのケースも多いため、目安として捉えてください。特にブラッシング時に歯ブラシに血が付いている場合は、歯周病の可能性を疑い、早めの対策が必要です。
こうした初期症状を見逃さず、気になる変化があれば歯科医院での検診をお勧めします。歯周病は早期発見と治療が鍵ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
初期の歯周病を見過ごし重症化させると、お口の中にさまざまな問題が現れます。さらに放置すると、次のような深刻なデメリットが生じるため注意が必要です。
1:食事がしにくくなる
歯がグラグラするようになると、硬いものを避けるようになり、食事の満足度が下がります。
2:強い口臭に悩まされる
進行するほど口臭が悪化し、周囲の人に不快感を与える可能性があります。
3:歯を抜かざるを得なくなる
歯を支える骨が壊れると、歯並びや噛み合わせが悪化し、最終的には抜歯が必要になることもあります。
4:全身の病気を合併する
歯周病菌が血管を通じて全身に広がることで、動脈硬化、糖尿病、認知症などのリスクが高まります。また、誤嚥性肺炎の原因にもなり得ます。
歯周病は全身の健康にも影響を与える病気です。早めの治療が、歯だけでなく健康全体を守る第一歩です。気になる症状があれば、ぜひ早めにご相談ください。
今回は、歯周病の初期症状や進行した場合のリスクについて解説しました。歯周病は自覚症状が少ない病気ですが、初期段階でも「歯茎が赤く腫れる」「口臭が気になる」「歯茎から出血する」などの変化が見られることがあります。日頃からお口の状態を注意深く観察することが、早期発見につながります。
初期に治療を始めれば、歯周病の進行を防ぎ、治療も比較的簡単に進められます。しかし、放置すると抜歯が必要になったり、全身の健康に悪影響を及ぼす可能性もあるため、早めの対応が重要です。
静岡市駿河区で歯周病治療をご検討中の方は、ぜひ【藤本歯科医院】へご相談ください。歯と全身の健康を守るため、専門的なケアでサポートいたします。